別れ・離婚とお金

離婚したい。でも、家のローンが残っている。切り出せないまま、時間だけが過ぎていく。
結論から申し上げると、離婚してもペアローンは自動では解消されません。先に決めるのは、家をどうするかです。
この記事では、体験談でよく挙がる3つの場面と、離婚する前に確認したい4つのことをまとめました。

売却価格がローン残高を下回る状態をオーバーローンといいます。売っても完済できず、抵当権が外せません。
| 残債と売却価格 | どうなるか |
|---|---|
| 売却価格のほうが高い | 売って完済できる。残ったお金は分け合う |
| 残債のほうが高い | 不足分を現金で用意するか、任意売却を相談 |
オーバーローンでも、不足分を現金で埋めれば売れます。銀行が抵当権を外すのは、完済できる場合だけだからです。
そして、ここで止まることが多くあります。その現金を、どちらがいくら出すか。話がまとまらず、売却そのものが進まなくなります。
子どもを転校させたくない。住み慣れた家を離れたくない。そうした理由から、どちらかが住み続ける選択をする場面です。
一本化とは、相手のローンも自分が引き受けることです。ふたりで4,000万円を借りていたなら、ひとりで4,000万円を借り直します。
つまりひとりの収入で全額の審査を受け直すことになるので、届かないことがあります。
たとえば【フラット35】の基準では、ほかの借入れも合わせた年間の返済額が年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下。ここを超えると通りません。
売却も一本化もできないとき、よくあるのが「家には妻と子が住み、出ていった夫が自分の分を払い続ける」という約束です。
ただ、離婚協議書や公正証書に書いても、銀行には通じません。ふたりの約束は、銀行との契約を変えないからです。
そして約束は、何年も先まで続きます。元夫が再婚したり、転職で収入が下がったりしたときに、支払いが止まることがあります。
止まれば、住んでいる側に、元夫の分まで請求が来ます。払えなければ、住み続けるつもりだった家を手放すことになります。

この2つの数字で、取れる道が決まります。残高は年に一度届く残高証明書か銀行アプリ、査定額は不動産会社で分かります。
査定額が残高を上回るなら、売って分けるのがいちばん簡単です。下回るなら、現金を足して売るか、住み続けるかの二択になります。
住み続ける側は、ローンに加えて固定資産税や修繕費もかかります。出ていく側は、家賃が新たに増えます。
お金が回らなくなるトラブルを防ぐためにも、事前にシミュレーションしておきましょう。
家は話し合いで分けられますが、借金は話し合いでは分けられません。返す人を変えるには、貸した側の了解がいります(民法第472条)。
ペアローンでは通常、お互いが相手の保証人になっています。書面に残すだけでなく、銀行の手続きも必ずセットで進めてください。
| 方法 | 必要な条件 |
|---|---|
| 売却して完済 | 売却価格が残債を上回ること |
| 単独名義に借り換え | 残る側がひとりで全額の審査に通ること |
| 免責的債務引受 | 銀行の承諾(民法第472条) |
| 任意売却 | 銀行の合意。残った借金は分割で返す |
いずれも銀行の判断が必須となり、基本的に数か月かかります。離婚の話と並行して、早めに動いておくようにしましょう。

共有名義なので、片方だけでは売れません。基本的にふたりの同意が必要です。
銀行の合意を得て、ローンが残ったまま売る方法です。売ったあとの借金は分割で返します。銀行が応じるとは限りません。
『ペアローン離婚の体験談に学ぶ。つまずきやすい3つの場面』
まずは、ローン残高証明書を見るところから始めてみましょう。
※ 2026年10月時点の情報です。出典:民法第472条(免責的債務引受)/住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」。個別の判断は金融機関・弁護士にご確認ください。
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