マネータイプ

「どうして、そこにお金を使うの?」
お金の使い方が合わないまま何年も過ぎると、その一言が出るたびに関係がすり減っていきます。ふとした瞬間に「この人とは無理かもしれない」と考えてしまうこともあると思います。
ただ、金銭感覚の違いは、そのまま離婚の理由になるとは限りません。原因を分けて見ていくと、話し合いで整理出来る部分がかなり含まれているからです。
この記事では、離婚を急がないほうがいい理由と、関係を立て直すための具体的な方法を整理します。そのうえで、それでも離婚を考えるときに確認しておきたいことにも触れます。

「合わない」と感じている中身は、実はいくつかの別々の問題が混ざっていることが多いです。順番に見ていきます。
金銭感覚は、育った家庭や、これまでの収入の増え方でつくられます。つまりどちらかが間違っているわけではなく、前提が違うだけということが少なくありません。
たとえば「1万円の外食」を、記念日の投資と考える人もいれば、1週間分の食費と考える人もいます。どちらも本人の中では筋が通っています。
相手の使い方に理由があると分かるだけで、「浪費」に見えていたものが「優先順位の違い」に見えてくることがあります。
ルールがない状態では、支出のたびに判断が発生します。そして判断が発生するたびに、価値観の差がぶつかります。
逆に言うと、「いくらまでなら相談なしで使っていいか」が決まっているだけで、衝突の回数はぐっと減ります。合わないのは金銭感覚ではなく、仕組みが無いことかもしれません。
転職や減給、出産、引っ越し。生活が変わった直後は、それまで機能していたお金の使い方が合わなくなります。
このときのぶつかり合いは、性格の不一致ではなく環境の変化に家計が追いついていないだけのことがあります。落ち着いてから振り返ると、印象が変わる場合も多いようです。
「手取りの何割まで使っていいか」の感覚は、人によって大きく違います。片方が2割で不安になり、もう片方は5割でも平気、ということが起こります。
ここは数字を見れば揃えられる部分です。感覚のまま話すと平行線になりますが、実際の収支を並べると、そもそも認識がずれていたと気づくことがあります。
「今を楽しみたい」と「将来に備えたい」は、どちらも正しい考え方です。ぶつかるのは、目的地を共有しないまま、手段の話だけをしているときです。
家を買うのか、子どもを持つのか、いつまで働くのか。ここが揃うと、貯蓄額の話は自然と決まっていきます。

ここからは、実際に出来ることを5つ紹介します。上から順番に進めると、話し合いが進みやすくなります。
いきなり金額の話から入ると、たいてい責め合いになります。まずは「何にお金を使うと嬉しいか」から話してみてください。
旅行、食事、趣味、住まい、将来の安心。大事にしているものが分かると、相手の支出の理由が見えてきます。
全額を1円単位で見せ合う必要はありません。共通の支出だけでも、同じ数字を見られる状態をつくることが大事です。
数字が見えると、「使いすぎ」という主観が「先月より2万円多い」という事実に変わります。事実の話は、感情の話よりこじれにくいです。
これが、いちばん効果が出やすい方法かもしれません。
「この範囲なら、相手に確認せずに使っていい」という枠をお互いに持つと、細かい支出で揉めることがなくなります。金額の大小より、枠があること自体に意味があります。
決めておくと揉めにくいのは、次の3つです。
そして決めたことは書いて残しておくこと。口約束は3か月で忘れます。記憶力の問題ではなく、記録がないだけです。
結婚、出産、住まい、車、教育、老後。いつ頃、どのくらい必要かを一度書き出してみてください。
正確な金額でなくて構いません。ふたりで同じ未来を見ていると分かるだけで、目の前の支出への見方が変わることがあります。

ここまで試しても状況が変わらないこともあります。その場合に、確認しておきたい5つの視点です。
お金の不満が、別の不満の入口になっていることがあります。家事の分担、働き方、相手への敬意。本当に苦しいのはどこなのかを切り分けてみてください。
価値観の違いと、生活が立ち行かなくなる状態は別の問題です。返済の見通しが立たない借金や、生活費に手をつけるほどの浪費がある場合は、話し合いだけで解決するのは難しいかもしれません。
この段階では、早めに専門家に相談することも検討してみてください。
判断の目安になるのは、相手に話し合う意思があるかどうかです。
意見が合わないだけなら、時間をかければ歩み寄れる可能性があります。ただ、話し合いのテーブルにつくこと自体を拒まれる状態が続くなら、前提が変わってきます。
感情が大きく動いているときほど、生活の現実は後回しになりがちです。住む場所、毎月の生活費、収入の見込み、子どもがいる場合の環境。数字にしてみると、判断の材料が増えます。
ふたりだけで考えていると、視野が狭くなります。信頼出来る知人でも、公的な相談窓口でも構いません。
財産分与や養育費といった法律に関わる部分は、必ず有資格の専門家に確認してください。
『金銭感覚が合わない夫婦は離婚するしかない?関係を立て直す5つの方法』
金銭感覚が合わないと感じたときは、いきなり関係そのものを判断せず、原因を分けて見ることから始めてみてください。整理してみると、話し合いで動かせる部分が残っていることもあります。
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