ふたりの家計

「家賃も食費も、きっちり半分ずつ」。同棲を始めるとき、いちばん公平に思えるのが折半です。でも暮らしてみると、なんだかモヤモヤする。
収入は違うのに、負担は同じ。そう気づいたとき、「これっておかしいのかな」と検索した方も多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。折半に納得出来ないのは、あなたがケチだからではありません。折半という方法が、ふたりの状況に合っていないだけです。
折半は「同じ金額を出す」方法です。一見もっとも公平ですが、公平に感じられるのはふたりの条件がそろっているときだけ。条件が違えば、同じ金額でも重さが変わります。
たとえば “手取り20万円” の人にとっての5万円と、“手取り35万円” の人にとっての5万円。数字は同じでも、生活に残るゆとりはまったく違います。
つまり「同じ金額」と「同じ負担感」は別物です。ここがズレていると、片方だけがじわじわ苦しくなります。
もっとも多いケースです。手取りに5万円以上の差があると、折半では収入が少ないほうの自由に使えるお金がほとんど残りません。
本人も「自分が稼げていないだけ」と感じて言い出しにくく、我慢が長期化しやすいのが厄介なところです。
料理・掃除・買い物を主にどちらかが担っている場合、お金は折半でも時間と労力は折半ではありません。
家事は金額として見えないぶん、不満が言語化されにくく、「なんで私ばっかり?」という形で後から噴き出します。
在宅勤務で光熱費を多く使う、お風呂が長い、食べる量が違う。こうした差があるのに完全折半だと、少なく使う側に不満がたまります。
逆に、多く使う側が申し訳なさを感じ続けるケースもあります。どちらが悪いという話ではありません。

折半以外にも方法はあります。代表的なのは次の4つです。
| 分け方 | どんな方法か | 向いているケース | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| ① 完全折半 | 生活費を半分ずつ、同じ金額で負担する | 収入差が小さい/シンプルに分けたい | 収入差が大きいと負担感に差が出やすい |
| ② 収入比で分担 | お互いの収入に応じて、割合で負担する | 収入差がある/納得感を重視したい | 収入をある程度は共有する必要がある |
| ③ 項目別分担 | 家賃は相手、食費は自分など項目ごとに分ける | 支払いのたびに精算する手間を減らしたい | 担当する項目によって、負担額に差が出やすい |
| ④ 共通口座 | 共通口座に一定額を入れ、そこから出す | ふたりの生活費をまとめて管理したい | 個人の支出と共同の支出を分ける必要がある |
計算はかんたんです。ふたりの手取りを足して、それぞれの割合を出すだけ。
きっちり40%:60%でなくてもいいので、ふたりが納得出来る割合を設定しましょう。
「家賃は収入が多いほう、食費と日用品は少ないほう」などと、役割で分ける方法です。毎月の計算がいらないので、続けやすさは一番です。
ただし担当する項目の金額が変動すると差が出るので、半年に一度は見直す前提で決めておくと安心です。
分け方が決まっても、切り出せなければ変わりません。言い出せない理由の多くは「お金にうるさい人だと思われたくない」という気持ちです。
コツは、金額の話から入らないこと。いきなり「折半をやめたい」と言うと、相手は責められたと感じます。
切り出し方の例を挙げます。
相手を変えようとするのではなく、ふたりで仕組みを選び直すという立て付けにすると、話がこじれにくくなります。
もし相手から「折半を見直したい」と言われたら、それは関係を続けたいというサインです。不満を抱えたまま黙る選択も出来たのに、話してくれたということですから。
その場で結論を出さなくても構いません。「わかった、少し考えさせて」と受け止めて、日を改めて冷静に話し合うのも1つの手です。

話し合って決めたルールでも、3か月後には「そんなこと言ってたっけ」というトラブルになる事があります。これは記憶力の問題ではなく、書き残していないからです。
スマホのメモやノートでも構いません。ふたりで決めたルールをいつでも見直す事が出来るように、しっかり記録しておきましょう。
『同棲の生活費、折半はおかしい?収入差があるときの分け方』
お金の話は、暮らしに合わせて何度でも調整していいものです。ふたりに合った分担方法を一緒に考えていきましょう。
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これからも心地よい関係を続けていくために、ぜひ、ふたりで取り組んでみてください。